鳥羽国際ホテル 料飲部 もんど岬料飲サービス課 支配人 東川 豊

きめ細かなサービスの
積み重ねが
お客様の満足につながると
信じています。

東川 豊
鳥羽国際ホテル
料飲部 料飲サービス課 もんど岬 支配人
2004年入社 政治経済学部卒

信頼に応えるために挑んだ、
レストランのリニューアル

私は伊勢市で生まれて鳥羽市で育ったので、観光は暮らしに密着している身近な産業でした。ホテルへの就職を志望したのは、制服の格好良さに憧れていたという、他愛ない動機からです。地元のホテルで7年間働いた後に、県外のホテルへ転職。数年間働くうちに、地元三重の観光業を盛り立てたいという想いが高まってきたのです。三重県内へのUターン転職を考えていたところ、知人が鳥羽国際ホテルで働いていたことが縁になり、2004年にロビーサービス担当として入社しました。

入社後はロビーからフロント、総務人事、広報・企画、和風旅館の「潮路亭」を経て、再びフロント、ショップ、ラウンジまで、さまざまな業務を担当してきました。一般的なホテルのキャリアステップにおいては、職種ごとのスペシャリストを育成する傾向があるので、ここまで多彩な仕事を経験することは難しいでしょう。当社はジョブローテーションや兼務で、業務の幅を広げていけることが特徴だと思います。

2015年に当時の総支配人の要請で、和食レストラン「もんど岬」に副支配人として異動しました。2年後に予定されているリニューアルのプロジェクトリーダーとして企画をまとめ、準備を進めるためです。このお話をいただいた時には迷いもありましたが、2010年のホテル全面リニューアルの際に私が事務局を担当していた実績を高く評価してくださり、「東川に任せたい」と言われ、その信頼に応えたいと思ったのです。

しかし、レストランはホテルの顔ともいえる重要な施設。リニューアルを任されるプレッシャーも並々ならぬものがありました。総支配人をはじめとする先輩方に支えられ、レストランのスタッフと苦労を共にしながら2年が過ぎ、リニューアルオープンの日を迎えたのです。

お客様に思い出を持ち帰って
いただくために

もんど岬のリニューアルで大きく変わったのは内装や什器だけではありません。サービスのスタイルにも従来にはなかった工夫を凝らすようにしました。お客様に思い出を持ち帰っていただくために、目の前で料理の最後の仕上げをする、食材や料理の背景にあるストーリーをご披露するなど、新しい試みをスタートしました。伝統的な日本料理のスタイルとは異なる部分もありますが、多くのお客様から好評をいただいています。食材も地元産にこだわり、伊勢海老や鮑といったメイン食材のほかにも、近隣の魚市場に並んでいるような地魚をお出ししています。お客様に「この辺の魚はおいしいね」と言っていただけると、三重県を褒めてもらえたようで、うれしくなりますね。

私が常に胸に刻んでいるのは「細部の集積が一つのボリュームになる」という言葉です。あるブックデザイナーの方の言葉ですが、自分の仕事に大いに通じるところがあると共感しました。私たちが接客に込めた小さな気配りや思いやりは、例えその場で気づいてもらえなくても、少しずつ積み重なって、最後にお客様の満足という大きな成果を生むのだと思います。お客様に向ける自然な笑顔やお話する口調、背筋の伸ばし方から、ご案内するときに方向を指し示す指先の所作に至るまで、細部の集積にこだわることが大切なのです。

初めていらしたお客様に「とてもいいところだね、来て良かったよ」と言っていただくために。そしてまた足を運んでいただくために。これからもきめ細やかなサービスを積み重ねていきたいと思います。

Page Top